店舗オープン前の心境
一年以上をかけて準備し、苦労を乗り越えて店舗開業が目前に迫ってきた。2月2日オープン予定なのであと一週間しかない。
デザイナーに依頼して金を惜しまず美しい店舗を作った。それをバックアップするシステムも自分で構築し、品質には自信がある。数ヶ月前からオープンする時の自分はどんなだろうかと考えていた。
そのイメージは、ベラージオホテルを開業し、売り物の噴水を目の前にして恍惚と音楽を口ずさむスティーブ・ウィンであった。自分の理想が現実化したのを前に喜びがあふれ出してくると思っていた。
しかし、現実は全く異なる。度重なる工事の遅れ、ずさんな作業、毎日いらいらし、怒りで夜も眠れない。そして、オープンしても誰も来ないのではないか、コンセプトが受け入れられず、全く無視されるのではないか。全く収入がない中で、家賃、人件費は確実に費やされ、あっさり破産するのではないか。そんな恐怖がこみ上げてくる。どきどきして朝早く目が覚める。心の底から後悔している。サラリーマンとして出世を目指していれば良かったではないか、なぜこんなところに来てしまったのか。その感じは、世界一大きいジェットコースターに念願かなって乗っては見たものの、トロッコが高い位置に来るとそこにいることを悔いるような感じ、あるいは、ヒマラヤにあこがれて標高5000mに来たものの、余りの寒さと呼吸の辛さに己の馬鹿さ加減を悔いるような感じである。大学入試や昇格試験の比ではない。戦争で前線突破する戦士や、オリンピック選手ほどではないと思うが、人生で自分の価値が問われる瞬間が目の前に迫っているのだ。これを望んでいたはずなのだが、怖い。全く楽しくない。果たして、この苦しみの先に大きな喜びは待っているのだろうか。闇が深ければ深いほど、光は明るく輝くのだろうか。今は全くわからない。ただ不安なだけだ。
こんなとき、ふと聞いて見たのが古い音楽だ。例えばABBAのダンシングクイーン。なぜか、こういう若かったときのことを思い出す音楽を聴くと癒される。不思議なものだ



最近のコメント